アンダルシアを38キロ歩く、後編
朝8時に歩き始めて、
22キロ先の最初の駅に着いたのがお昼前。
駅といってもかつての駅で、今は休憩所のBAR。
ここでのランチを私はヒ、ジョーに楽しみに歩いてきたのにさ、
まだ早いとの理由で冷たいボカディージョ(サンドイッチ)
しかないって。
「まだ早い」って、もうお昼だけど?
確かに客はわてひとり。
食ってまた誰もいない道を歩く。
今日の38キロコースにあるトンネルは計30ヵ所。
だんだん慣れてきて怖くなくなってきた。
結局、公園パトロールの巡回車と
すれ違ったのは、
38キロのうちの2回だけ。
でも誰にも、
山賊にも襲われなかったよ、おかげ様で♪
本当に、線路を歩いてる感じでしょう?
かつては「車窓」風景でもあったこの景色。
なーんて考えると、やっぱ石丸謙二郎さんの声がするよね。
『世界の車窓から、
明日は、地中海の太陽が降り注ぐアンダルシア、
オリーブ畑の中をゆく、
フラメンコ鉄道をお送りします♪』
午後の16キロのほうが
キャニオンとか橋、滝とかがみえて退屈しないな。
「前半22キロ、いらなかったんじゃ……?」
いやいや、
38キロ先へ行くバスしかなかったんだからしょーがないわな。(ひとりごと)
「トンネル、明かりなし」のサイン。↓
かかって来い、来い!
疲れてきて、
怖がってるヒマもなくなってきたんだよね。
『では、アンダルシアの車窓から。
時速4キロの旅をダイジェストでお楽しみ下さい。』
へーーー。
ほーーーっ。
およおよ。
日焼け止め塗り直そっかな。
(結構、柵が多くて
トイレに隠れる場所に困ったかも。)
午後3時ぐらいから
ようやくサイクリストが現れだした。
えーなー、仲良く走っちゃって。
なれそめきかせてくれーー!
こんなとこ、ひとりで38キロ歩くなんてアホかしら♪
でも
近くにタダで入れる遊園地があると
無視できない、みたいなもので
歩かずにはいられなかったし、
どんな景色か見たかったんだよね、
Vía Verde(ビアベルデ、緑の道)。
かなりディープな景色を
けわしい道を歩かずに見れるっていうのが
いいわな。
トンネルが多くて、
結構「とんねるず」のことも
思い出したりしたよ。デビュー当時ぐらいから。
その流れで安田成美も出てきたりしてさ。
♪風の谷の~ナウシカ~……
ゴールが近づいてきた。見覚えのある風景
♪みおぼえのあーーーるーーー……(竹内まりや)
ビールが飲みてーーー!
午後6時ゴーール。
我が村OLVERAの駅(今はバー)に
ついたどーー。
やっぱ10時間かかったわ。
晴れてるし平らでまっすぐで
こないだのカミーノよりぜんぜんカンタン♪
でも五本指ソックスがないとこんなに
違うのかってぐらい足痛かったわー。
もうこの村、出てもいいぐらいの達成感。
ありがとう、Vía Verde!
大晦日に、カミーノ年越しでもらった矢印。↓
さ、次はどこ歩けばいいのかな? 左?
チャオ♪